6月、梅雨入り。
晴れているかと思いきや・・・雷が響き渡り突然大雨が降ったりと
不安定な日がつづいています。
そんな中での1日晴れの天気は貴重!!
洗濯物を外で干せる絶好のチャンス!
四季がはっきりしている日本なので
住宅もこの四季に適応していかなければなりません。
年中快適に過ごせる住まいを提供していくために
何がお客さまにとって一番ベストなのか??そして環境に健康に良いのか??
そんな事を日々考えつつ・・・
先日、温熱環境勉強会へ行ってきました。
今回の勉強会は設計事務所ランドシャフトの堀越さん主催で、
信州で木組み・土壁・手刻みなど「気候風土適応住宅」に近い住まいづくりに取り組む方を対象とした勉強会で長野県内各地から設計士さん・大工さんが参加されていました。
講師は木造建築設計・温熱環境の第一人者である、
岐阜県立森林文化アカデミーの辻充孝准教授。
先生のお人柄がでてとても優しい口調でいろんな質問に一つ一つ丁寧に答えていただけて大変勉強になりました。
そして何と言っても、とってもわかりやすいのです!!!
1日先生の講義に聞き入っておりました。
1980年省エネルギー基準ができ、そこから幾度も基準が改定され、現在に至ります。
ちなみに、環境省の調査で1970年以前の住宅と2006年以降の住宅ではCO2排出量はさほど変化が無いそうです。(そうなの!?と少し驚き)
省エネ基準の目標は、温熱性能(財産価値を守ることと人の健康維持)それからエネルギー消費量。
エネルギー消費の中で肝になるのが冷暖房のエネルギーだそう。
熱を逃がさないこと(断熱)と熱を取り入れる・熱を入れないこと(日射熱制御)。
冬場などニュースでよく耳にする「ヒートショック」は交通事故の約5倍の危険度があるそうです。
海外では全館暖房が当たり前だそうで、使っていない部屋も空調機器はつけっぱなし。
日本の場合は使っていない部屋の暖房は切り、暖房をつけている部屋のドアは締め切り。廊下や浴室の脱衣場などは寒いことが当たり前・・・。
(私の実家もこんな感じです)
冷暖房機などが無い時代の住宅は日本の気候に合わせて、
そして在るものを上手く活用し本当に良く考えられて建築されていました。
現代はその頃と比べると気候自体も大分変わってきていますが
住宅設備・建材など便利なものが増えてきています。
生活スタイルも大きく変化していますよね。
省エネ基準の義務化もあり、高気密高断熱住宅が広く周知されてきていますが
果たして高気密高断熱住宅にすることが快適さに繋がるのか??
色々と考えはじめるととまりません。笑
講義は日本の温熱環境の整理から始まり、
省エネルギー基準の背景、温熱性能と省エネ性能について、
温熱環境と健康の関連性などなど・・・
そして先生が開発されたツールを使用して
断熱性能を評価するUA値(外に逃げていく熱の平均値)、Q値(逃げていく熱の値)
日射熱制御を評価するηA値(日射熱の取得平均値)
気密性能を表すC値(建物の隙間面積)
など、実際にモデル住宅で計算して省エネ値を算出しました。
ちなみに、住宅性能の各評価を取得したい場合はこれらの計算が必要になってきます。
この様々な数値の基準・・・全国8つの地域(気候条件の違い)に分けられますが、
地域によって値が異なり長野県内では概ね3・4地域となります。
原村は3地域でこれがまた結構厳しい値・・・。
今回のモデル住宅で計算をしてみても、他の地域ではクリアする値でも3地域ではもっと断熱値などをあげないとクリアしないんですね。
使用する断熱材やその他材料によって熱の伝わり方も異なるので
それぞれの材料の熱伝導率と必要な厚さなどを全部考えて設計をしていきます。
先生の開発されたツールがこれまたとても使いやすくて
今後活用していけるようにしたいなと思います。
お昼は参加者全員で先生を囲んでのランチタイムでしたが
ランチタイムも講義の間の休憩時間、講義終了後も
ここはどうかな・・・
あれはどうするべきか・・・
この場合は何を使用すればもっと良くなるのか・・・などなど
怒涛の質問タイムとなっていました。
気密・断熱について理解しているつもりでしたが
頭の中の整理ができ、より理解が深まりました。
今回参加された方みなさん実務でベストな選択をする為に様々な工夫をされており
その中でも同じ悩みを抱えている方たちと一緒に勉強できたこと
1日有意義な時間で参加できて本当によかったです。
日々勉強!大切ですね!